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「人脈」という言葉を使うときな臭いけど、特に中小企業は一つの業務提携が会社の大きな躍進につながったりするので、僕は積極的に人に会うようにしています。交流会にも参加するしCoffeeMeetingも活用しています。交流会で名刺交換しまくったり、自分の事業を何回も何回も説明するのは気が滅入るけれど、それも仕事だと割り切っています。

社長さんとお会いするといつも「相手のために何ができるか」を考える

そんなこんなで最近いろいろな社長さんともお会いしています。会社の代表同士で会うと、当然仕事の話をします。お互いに何をやっているか。どういった課題感があるのか。お互いにどういったことを提供できるのか。
そんなビジネスライクな話をしていて疲れないかと思われそうですが、双方にとって仕事が生き甲斐であり、趣味でもあるので、盛り上がりこそすれ、疲れることはあまりありません。鉄ちゃん(注:鉄道オタク)が鉄道の話をしているときと脳内物質の構成はそんなに変わらないと思います。

そしていつも登場する、象徴的な決まり文句があります。
「どなたかおつなぎしてほしい人はいませんか?」というものです。
話しているうちに、事業・情報・人の面で何か相手に貢献できることはないかと、お互いに前のめりになっていきます。これは「ギブしたらテイクできるから」という単純な図式ではないような気がしています。
お互いに事業をしている。同じような苦労をしている。それだけでどこか共感できる部分があり、自然と「相手のために何ができるか」を考えるようになります。

ギブ&テイクは実績よりも気持ちの問題

この「相手のために何ができるか」という思いには双方向性が欠かせません。よく言われるように、お互いに貢献の意思があるときギブ&テイクは成り立ちます。「リターンがないならギブできない」というケチな考えをしているわけではなくて、「搾取することだけを考えているような人を応援する気になれない」という感情的な理由が絡んでくるためです。
ギブ&テイクは、実績面で釣り合っている必要はありませんが、気持ちの面では釣り合っている必要があります。人間は経済合理的である以上に感情に左右される生きものです。少なくとも僕はそうだし、お会いしている方々にもそのような人が多いように感じます。実績のことを考えたらひよっこの僕なんてそもそも相手にしないと思います。
ギブ&テイクはドライな考え方のように見えて、非常にウエットな、人間的なコミュニケーションです。ビジネスとか人脈とか一見きな臭いですが、中に入るほど人間的なコミュニティであることが、足湯のように沁み入ります。