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最近「若者が結婚を敬遠している」という切り口のエントリーが増えています。結論としては「家庭を持ち、子どもを育てることが金銭的に不安」というものが大半。
結婚することは本当に金銭的なリスクにつながるものなのでしょうか。

僕は2013年末に入籍しました。色々と経緯はあるのですが、結果的には起業とほぼときを同じくして家庭を築くことになりました。
当初は僕自身も言い知れない不安を抱えていました。
「事業が失敗して妻を巻き込んだらどうしよう」
「家庭があって本当に仕事に打ち込むことはできるのだろうか」
実際に生活を始めてみてそれが杞憂であるとすぐに気づきます。

結婚しても生活コストはそんなに上がらない

まず、結婚したからと言って生活コストが上がるわけではありません。これは当たり前の話です。家賃も食費も光熱費も、共働きであれば折半することになるのでむしろ負担は軽減されます。家具家電もそんなに買う必要のあるものはないし、イケアやオークションを使えば、許容範囲の中でものを買うことができます。
子どもができてからも、試算してみると状況は変わりません。子どもの生活費は高が知れているし、当面は義務教育だし高校も公立に入ってもらえば教育費はかかりません。見えている出費としては保育や塾くらいで、後者は独学でも何とかなります。(僕は塾をほとんど利用しませんでした。)
何にせよ一時的な出費は均せば大したものにはならないしある程度コントロール可能なので、家賃や食費のような固定費がどうなるのかを考えましょう。
仮に事業に失敗しても、またサラリーマンに戻ればほとんど支障がないことが分かります。

結婚しても仕事のパフォーマンスは下がらない

次に「仕事に打ち込めるか」という論点。起業家に限らずビジネスマンはキャリア的な観点から結婚する・しないで悩む人も多いのではないかと思います。
半年くらいの短期決戦であれば独身の方が有利です。結婚すると毎日会社に泊まり込んで仕事に明け暮れるということができません。(できないと言うか推奨されないと言うか)
ただ、個人的な経験から「仕事以外何も顧みない」という状況は、続けられて半年くらいだと考えています。身体がついていかなくなってあらゆるパフォーマンスが落ちてくるからです。反面でパートナーと規則正しい生活リズムを作り、健康的な食生活を続けていると、長期的にパフォーマンスを維持して事業に取り組むことができます。(精神的な支えもありがたいです!)
家で仕事をすることもできるので長時間労働と家族との時間を両立することは可能だし、バリキャリ系の世界にどっぷりつかっていると価値観がマジョリティからかけ離れていってしまうのでちょっと街に出かけるようなことも、起業家として大事だと思っています。(「努力せよ!」「自己否定せよ!」「人脈開拓せよ!」みたいな人が作ったサービスにマジョリティがついていくとは個人的に思えません)

考えるなら「唯ぼんやりとした不安」を数値化してから考える

実際に周りの起業家には結婚している方が少なくありません。話を聞くと皆さん"倒産した際にどうするか"ということもしっかりと考慮した上で、「リスクを許容できる」という判断をしています。
芥川龍之介ばりに「唯ぼんやりとした不安」を抱えているだけでは結婚にネガティブになります。実生活を想定し、大まかにでも生活コストを試算したら案外お金がかからないことはすぐに分かります。
「唯ぼんやりとした不安」をまずは数値化する。それが許容できるかどうか判断すれば、多くの人が結婚に対するネガティブな印象を払拭できるのではないかと思います。
ビジネスでは当たり前のようになされていることなのに、私生活になるとこれが急にできなくなる少なくありません。

結婚が敬遠される理由は他にもあると思いますが、ネガティブなイメージは調味料のように撹拌して他の要素にもまんべんなく影響を与えるものだと思うので、そこに焦点を当てて考えてみました。