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僕はCUBKI(カブキ)というメディアコマースを運営しています。
モデル、読者モデル、スタイリストのようなタレントさんたちのファッションスナップがサイトには並んでいて、ユーザーはそのコーディネートの着用アイテムに似ているアイテムをプチプラ(低価格)で購入することができます。

どうやってスナップに”似ているアイテム”を紐づけているかというと、流行りの画像認識ではなく、人力に頼っています。今後画像認識と人力のハイブリッドにするようなことは考えられますが、人力に分があることは当面変わらないと考えています。

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こういう話をピッチイベントですると、ウケがあんまり良くありません。他のスタートアップが「どう自動化するか」「どうデータ活用するか」というモダンな話をしている中で、何だか"いけてない印象"を与えるのだと思います。

でも「筋が悪いな」と人から思われるくらいがちょうど良いと思っています。ウェブアプリもスマホアプリも乱立する中で、人のやりたがらないこと、人のしようとしないことに取りかかって初めて今までになかったサービスを作りあげることができるからです。

とは言ってもCUBKIは無闇に人力に頼っているわけではありません。CUBKIが扱っているのはモデルや読者モデルのようなタレントのスナップだけ。コンテンツ価値が非常に高いんです。千疋屋があまおうを一つ一つ磨いてきれいに箱詰めするのと同じように、我々は職人の手でスナップを一つ一つデータ化していっています。もともとコンテンツ価値の高いものに、更に付加価値をプラスしているんです。

こうすることでユーザーに確かなバリューを提供できます。かわいいスナップが並んでいるので、CUBKIを開くだけでも気分が上がります。気に入ったアイテムはプチプラで購入してファッションに取り入れられるので、より「自分ごと」の深度のあるメリットを享受できます。更にファッションに関するエモーショナルな記事を読めば、内面磨きにもつながります。分かりやすいところから理解にちょっと時間がかかるところまで、レイヤーを複数持つことで「実際に使われて」かつ「飽きのこない」メディアを目指しています。

一方でタレントさんたちにはお金を稼いだり、新しいファンを取り入れたりできる場を提供しようとしています。タレントさんをうまく利用しようとかいう魂胆はなくて、個人として頑張っている人たちの力になることをまずは考えています。タレントさんたちの力になることができれば、おそらく結果はついてくるからです。
まだ始めたばかりですが、タレントさんたちを取材する企画も始めました。モデルさんたちは皆さん熱い思いをお持ちなんだけれど、必ずしもそれを文章表現することに長けているわけではありません。「新しいコンテンツを引き出す」という面でもお力になりたいと思っています。
育児、美容師、モデルの仕事を楽しみながら、外見も内面も磨く"望月けい子さん"にインタビュー! 


まとめると、現時点ではとにかく「ユーザーに支持されること」を一番に考えています。ユーザーさん、タレントさんたちのためにならないことには、何も始まりません。
ビッグデータ的なものは最初に見通しを立てて設計さえしていれば、後からいくらでも活用できます。例えばCUBKIにはデータ化された大量のハイセンスなコーディネートがあるので、ファッションリーダーであるタレントたちが「何と何を着合わせているのか」というデータを持っています。このデータを活かして人工知能のスタイリストを作ることもできるし、次期のトレンド予測をするようなこともできます。
まずは使ってもらう。そこを愚直に突き詰めているのが、CUBKIの現状です。 

CUBKI(カブキ)
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