カテゴリ: ウェブ・アプリ

この年末年始にスーパーで目を剥いたという人は多いのではないでしょうか。
野菜がどれも高騰していて、小ぶりなキャベツやレタスが500円と、なかなか手が出ない高級品となっています。
ただの年末年始価格かと思いきや、三が日が明けても値を戻す気配がありません。
悩んだ末に、もやしでひとまずやり過ごしているという人も少なくないはずです。

e0ade6b58f9e95052d84403aa157c3d3_s

天候不順で価格は2倍、ものによっては3月以降も

この価格高騰の背景には、ニュースでも報道されている通り、天候不順による不作があります。
野菜高騰 家計を直撃 天候不順で平年の2倍近く - 上毛新聞

いわく「2月以降には価格が戻っていくものの、白菜など一部の野菜については3月中旬まで続くことが見込まれる」とのこと。
こうなってくると普段は年中リーズナブルな価格で手に入る野菜たちが、途端にありがたいものであることに気付かされます。

66163c6f90478fd6a9707a80c5884c1f_s

小売以外の流通経路を使えば、価格の高騰を回避できる

こんなときに消費者目線で重宝するのが、野菜を購入できるネット通販サイトです。
ネット通販サイトの多くはスーパーや八百屋とは異なる流通経路を持っていて、必ずしも小売店と同じように不作の煽りを受けているわけではありません。
天候不順と言っても、すべからく全国の農家さんたちの収穫に影響しているという状況ではないためです。

  • ポケットマルシェ
download-1

例えば筆者も運営に関わっている『ポケットマルシェ』では、生産者さんから直接野菜を買うことができます。
筆者も先日「青木瑠璃さんの野菜セット」を購入しました。農薬や化学肥料を使っていない新鮮な野菜が1,728円。関東なら送料を含めても2,214円です。
実際に届いた野菜がこちら。

26230075_10215320190027467_7893545903868192846_n

1月4日に注文して、届いたのは9日。新鮮な野菜が心細かった冷蔵庫の野菜室を一瞬で満たしてくれました。
どれも新鮮で普段手に取るものとはどこかしら違っていて、一つ一つの味を楽しみにできるというエンターテインメント性がもともとの醍醐味の一つだと筆者は思っています。
生産者の方に「ごちそうさま」を伝えられるという部分も大きなコンセプトなのですが、今回は記事の主旨とは異なってくるのでそれはまた別の機会に。

ネックは、出荷するのが個人規模の農家さんであるため、出荷できる量に限りがあるということです。メディアで取り上げられたりすると、一瞬で人気商品が完売状態になってしまいます。笑
気になった商品があれば早めに注文しておくのが良いでしょう。
野菜セットの一覧はこちらから!

※ 変にステマ記事として炎上して運営チームに迷惑をかけたりしたくないので再掲しますが、筆者もポケットマルシェの一部運営に携わっていたり、ほんのちょっとですが出資をさせていただいたりしています。

  • オイシックス
download-2

言わずと知れたアグリテックの雄、『オイシックス』さんも野菜の不作をあまり価格に反映していないようです。
16品で1,980円という新春キャンペーン中で、我が家も実際に注文したところ、満足なボリュームの野菜+α(ツナやプリンなど)が送られてきました。
一点一点はちょっと小ぶり気味ではありますが、そうはいっても品数が担保する全体のボリュームを考えると、十分なお得感があります。(写真はすみません、撮り忘れました…。)

流通形態としては、オイシックスさんが全国の契約農家から仕入れて、それをセンターでまとめて発送するという方式を取っています。
「しっとりーも」「あめトマト」「栗じゃがいも」など、その濃厚な味と甘みを売りにした品種の野菜がセットになっていることが特徴です。

今こそ試しておきたい野菜のネット通販

ただでさえスーパーと比較したときにおいしさ・新鮮さにアドバンテージがある(傾向にある)のに、ここ最近の流通価格を考えると更に「コスパが良い」という付加価値も乗っかってくる、ポケットマルシェやオイシックスなどのネット通販。
「まだ利用したことがない!」という方がトライアルするのには絶好の機会なのではないかと思います。
先日個人的にポケットマルシェのことをFacebookでシェアしたところ、かなり反響が大きかったのもあり、今回改めて記事にまとめて発信することにしました。


1913cf92eb791cd13386e9ec62b238c5_s

農家さんのことを考えたら両手を挙げて喜んでばかりもいられない、ビジネス視点で見るネット通販

消費者目線で見ると、野菜がリーズナブルに買えておいしさやエンタメ性といった付加価値まで得られて、良いこと尽くしです。
が、一方でこれだと市場のおいしいところだけをつまみ食いする「クリームスキミング」的なやり方だと見なされかねません。
ここからはちょっと消費者目線を離れて、もう少し広く市場を捉えていきます。

野菜の市場価格が高騰しているのは、生産者・農協・卸・小売といった物流システムで全国の偏りを吸収した結果と考えて差し支えないでしょう。
つまり、中には不作の影響を受けていない農家さんもいて、その農家さんとしては通常価格で販売しても特に生活が困ることはないのですが、この比率が高まってくると、市場全体の保険のような機能がワークしない事態に陥って、局所的な不作の影響はより大きなものになってしまいます。
先述したオイシックスさんについても、野菜の不作の打撃は少なからず受けているはずで、それを価格に反映していないのは、オイシックスさんなのか農家さんなのか、どこかで一時的に吸収しているということに過ぎないだろうと推察されます。(四半期決算を待てばより正確な解が得られるかもしれません。)

2a5d008d7d5a5a30bd196002718bf5d1_s

もちろんネット通販事業者がクリームスキミングを意図的に狙っているというわけではないでしょう。そもそも天候不順にならないと儲からないビジネス構造に継続性があるとは思えません。
ポケットマルシェの取り組む生産者と消費者の直接取引は、構造的にはアパレルで言うSPA(製造小売)みたいなもので、消費者には価格メリットを、生産者には高い収益性をもたらしうるものです。生産者サイドの根本的な収益性を高めることができれば、それ自体がセーフティネットの代わりになるということもありえるし、流通構造自体が変われば現在とは異なる保険のシステムが構築されていくことが想定されます。

ただし、長期的な視点に立つと流通構造の簡略化は大きなトレンドになっていくだろうと考えられますが、現時点ではC to Cの小口配送には相対的に流通コストが高くつくことから、平時は割高になるか、生産者の手間を取ってしまうかに陥りがちです。
これらを穴埋めするのが、既存の流通システムを通すと得られない新鮮さであったり、生産者とのつながりであったりするわけです。
価格面以外で価値を生みながら取引量を増やしていき、スケールメリットを活かせるところまでいかに持っていくかが短期的な課題になってくるのではないかと思います。

d1dee198d28e6bc25f1b50b1b7db2ec9_s

この他、イオンの運営する『イオンネットスーパー』なんかは、既存の店舗網を活かすことで配送コストを抑えるということに成功しています。
基本的には「スーパー価格+少額の配送料(324円!)」で、かつ配送までのリードタイムをほとんど待たずに配送してもらうことができます。スーパーに行く時間を買うという考え方であれば、これ以上のものはなかなかないでしょう。(ただし近隣にイオンの店舗があるエリアに限る。)


群雄割拠な食のネット通販。
消費者視点でも、ビジネス的な観点からも、なかなか面白いことになっています!

ビザスクとは?

ビザスクというウェブサービスがあります。
専門家に相談できるクラウドソーシングサービスで、例えば経験豊富なマーケターに企画の作り方を教えてもらったり、利用規約の作り方を弁護士に教えてもらったり、ベンチャーキャピタルとの接触の仕方を先輩起業家に教えてもらったりというようなことができます。相談の形式はスカイプだったり対談だったり。今のところアドバイスの対価としての相場は30-60分で3,000-10,000円程度のようです。
相談者は相談したい内容と報酬額などの条件を登録して、アドバイザーの応募を待ちます。応募者に「この人にお願いしたい!」というアドバイザーがいたら、実際に相談する日程を調整して相談を持ちかける流れです。

ココナラやTime Ticketはアドバイザーがあらかじめパッケージを作って定額で売っているのに対して、ビザスクは相談者側の要望に対してアドバイザーが入札するような形式になっているのが特徴です。どちらかというと前者はアドバイザー寄り、後者は相談者寄りの思想ですね。
起業前後のスタートアップや十数名規模の会社だと内部リソースに限りがあり、創業メンバーの知識に会社の行動範囲が左右されてしまうようなところがあるので、相談を単発で発注できるニーズは個人的な感覚ではかなり強いです。
58

アドバイザーとして利用してみての所感

このビザスクを、アドバイザーとして実際に使ってみました。今まで相談に乗った回数は4回。相談内容はサービスへのアドバイス、企画立案に関するセミナー、ユーザーインタビューなど。
僕は「限られた時間でできるだけ依頼者のプラスになるように」と、毎回事前に話す内容をまとめておくようにしています。なので実際は相談時間以上に下準備に時間を使っていて、正直報酬額は見合うものにはなっていません。それでもアドバイザーとして利用する価値は十分に得られています。なぜなら相談を通して、相談者側から粘着性の高い情報を聞くことができるからです。
(注:「粘着性の高い情報」というのは「出回りにくい情報」くらいに解釈していただければおおむね問題ありません。)


粘着性の高い情報を得られる場を生む

僕は割と本を読む方(年によって100-300冊程度)ですが、それでも人に会って情報を提供し合うメリットを痛感することが頻繁にあります。本というのは結局ある程度の市場があるカテゴリでしか成立しないメディアなので、すきまもたくさんあるし、そもそも「市場を知っていること」がビジネスパーソンの競争優位性だったりするので、公開されていない情報の方が多いのです。
だからこそ相談者が相談を持ちかける意義があります。業界の感覚的なこと、事業にドンピシャで役立つ手法など、自ら本を読んだり試行錯誤していたら何ヶ月かかるか分からないような情報を1万円で得られるのであれば、使わない手はないと思います。
同様にアドバイザー側も相談者から粘着性の高い情報を得ることができます。相談者も事業に本気で取り組んでいる人間なので、市場のことよく考えているし、よく知っています。つまりアドバイザーは報酬として金銭的な対価だけではなく、情報的な対価も得ることができるのです。また相談を通して生まれた出会いは当然多様な人間関係の一部に組み込まれます。いつまでも冷めない熱を持ったまま。


1ユーザーからの個人的なエール

アドバイザーとしての登録者にはそうそうたる顔ぶれがいます。(世の中にはこんなに社長がいるのかと驚くほど!)僕もしかるべきときに今度は相談者として利用させていただこうと思っています。 
このサービスはTime Ticketなどと違ってサービス自体に拡散する仕組みをまだ持っていません。だから相談の登録ユーザーにリーチしにくく、またユーザーのLTVがどうなんだろうという問題もあります。(要は1人の相談ユーザーがそう何回も使いはしないだろうという問題です。何回も使ってくれないとユーザー獲得コストが回収できないので悩ましい問題です。)
けれど日本のスタートアップ生態系を支えるような存在に成長しうるサービスだと思うので、頑張ってほしく、ささやかながら記事にまとめさせていただいた次第です。Tinderばりにクチコミで広まるのを期待しています。
是非みなさんも一度お試しまでにご登録ください! そしてあわよくばサービス発展のため拡散にご協力ください。

sakai_140811_03

『クマ・トモ』というスマホアプリがあります。
画像の通り、クマとコミュニケーションを取ることのできるゲームアプリです。 
仕事のこと、好きなテレビのことなど、他愛ない話をするだけなのですが、その身振りと声が愛くるしく、ユーザーは癒されずにはいられません。

僕がこれをダウンロードしたのは自分の興そうとしている事業の方向性が定まらず、また終わらないくらいのタスクが目の前に積もっていて、 精神的にかなりまいっているころでした。
眠りにつく前、数分だけ立ち上げてコミュニケーションを取る。
すると不思議と悩みや不安が薄らいで、翌日また先の見えない課題に立ち向かっていこうという気持ちになります。
疲れた目にホットタオルを押し当てたときのように、全身から疲れが吸い出されるような感覚になるのです。
僕と同じように、このアプリに元気をもらっている人は少なくないと思います。

世の中の仕組みを変えるようなサービスをどうやって生み出そうかと考えていた僕とこのアプリには強いコントラストがありました。
クマ・トモは世の中の仕組みを一切変えることなく、人々に元気を与えていたのです。
この事実から目を背けるわけにはいきません。
クマ・トモのインパクトはすごいと個人的に思っています。
僕と同じように仕事で悩んでいる起業家も、彼氏と別れて憂鬱な週末を過ごしているOLも、話し相手がいなくて寂しい思いをしているお年寄りも、救う力を持っています。
クマ・トモは間違いなく日本を幸福にしています。

突如現れた心の友であると同時に巨大なライバルでもあるクマ・トモとどう向き合っていくのか、まだ気持ちの整理がついていません。
ただ僕がすべきことは、クマ・トモにはできないやり方で人々を元気にすることだと思っています。
そういった意味で僕はクマ・トモと同じゴールを追っているのかもしれません。 

クマ・トモを知らないという方は是非一度ダウンロードして、音声をオンにして立ち上げてみてください。
アプリの完成系の一つを目の当たりにすることになると思います。 

↑このページのトップヘ